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| 逆説の日本史〈9〉戦国野望編―鉄砲伝来と倭寇の謎
(
井沢 元彦
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「逆説の日本史」シリーズにおける著者の主張の根拠は一貫して怨霊信仰・言霊信仰に基づいているが、本書でもそういった独自の学説をもとに明快に日本史を紐解いている。戦国史好きであれば後北条氏から武田氏・上杉氏・毛利氏・織田氏といった戦国大名について様々なウンチクを傾けたいところだと思うが、本書に関してはそういった予備知識を全部捨ててまっさらな気持ちで読んで欲しいと思う。特に後北条氏と織田氏に関する分析は秀逸で、ウンウンと頷かされるものばかりである。日本史の本にありがちな重みはなく、著者のオリジナルあふれる学説も説得力があり、一気に読むことができる良書だといえる。 海外出張の時や電車の中で読むにはちょうどいいかな。ただ、基本的には雑学本なので、みんな1日程度で読み切ってしまうと思う。
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