千里眼/マジシャンの少女 みんなこんな本を読んできた 千里眼/マジシャンの少女
 
 
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千里眼/マジシャンの少女 ( 松岡 圭祐 )

この文庫版の元になったハードカバーの「千里眼のマジシャン」は、個人的にはシリーズ中、最も出来の悪い作品だったと思います。後に「イリュージョン」で、同作品は架空の出来事だったと書かれてますが、意図的だったとしたらややこしすぎます。美由紀も沙希もぜんぜん前作までと繋がりが感じられず、なんともいい加減なプロットでした。ところが、著者側はそのことを十分に認識していたらしく、この文庫はあちこち改変されてます。改変箇所は「千里眼の瞳」の文庫化よりも多いです。ざっとあげ連ねただけでも、舛城がいない(藍川という老刑事に置き換わっている)、美由紀が人殺ししない(当然だよ)、北朝鮮が敵ではない(国内の指定暴力団に変わってます)、沙希が出世してない(シリーズに沿ってます)、美由紀のスキー旅行がカナダから長野に変わってる(場面も増えてます)など盛りだくさんです。文体もいつもの感じに戻って、気楽に楽しめるシリーズならではの娯楽性あふれる作品となってます。こうでなくちゃね。

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