まず、この本の著者、山梨学院大の助教授だそうだが、日本語の文章作成能力に疑問。聞いたことのない(私だけ?)大学卒業後、すぐに韓国に留学しているようなので、たぶん、もともと日本語の文章作成能力は??で、おそらくハングルの方が得意のなのだろう。<P>それはしょうがないとして、内容について。裏表紙の解説を読んで、内容の予測をして購入したのだが、これで北朝鮮の人々の生の生活が把握できる内容だと言えるのか?結局、「聞き忘れた」とか「わからなかった」とかばかりで、一般的なことが大部分である。一種の旅行の私的感想文の域を出ていないように感じる。ハングルをしゃべれる邦人のレポートであるので期待していたのだが、やはり北朝鮮を知るには脱北者の著書の方が有用だ(どこまで真!実かという問題はあるが)。また、10年以上前の1990年代始めの旅行をもとに書かれた本であるので、工作船問題、拉致被害者帰国、など進展のあった今となっては、どうも古くささを感じる(著者は今も生活は変わっていないはず、と弁明はしているが・・・)。個人的にはこの本はお薦めできない。
こんな観光旅行はちょっとないのではないでしょうか。自由に観光 できない旅行なんてどこが面白いでしょう。でも、作者の筆運びは とても生き生きしています。きっと、行けただけでも嬉しかったの でしょう。その喜びがはっきりこちらに伝わってきます。傑作なの は、北朝鮮でゴミ拾いをしている著者の姿です。まず、安タバコの<P>空箱の汚れたのを拾い、これについてあれこれ書き、次に電話帳の 切れ端を拾って跳び上がるようにして大喜び、私は大笑いしてしま いました。こんなものを拾って大喜びするなんてどうかしているの ではないでしょうか。でも、それほどこの国は神秘の国ということ なのでしょう。こんな変わった旅行記はほかにはないでしょう。