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雪国 ( 川端 康成 )

中学生の頃に、初めて川端康成及び、小説を読んだ。「雪国」の美しい描写は、そのまま登場人物の肉となり、骨となり、衣となり、彼らの中に溶け込んでゆく。あまりにも、美しい日本の物語であり、私の中に流れる日本の美しさを回帰するように、私はこの小説をしばしば手に取る。だが、この人の小説を初めて読んでしまった私にとって、これから小説を読んでゆくことは、悲劇だった。<BR>なぜなら、川端康成のような小説家までとはゆかないが、この人のように、美しい小説を書ける人が、今の日本に皆無だったからだ。辛うじて、三島由紀夫や、谷崎潤一郎に出会えたが、決して現代の日本の作家ではない。そして、今の文壇を見てみても、これからの日本の作家にはなにも望めぬことは申すまでもない。

今年の夏休みに読書感想文用に読んだのがこの作品でした。<BR>あいにくととても蒸し暑く、雪などとは無縁な環境でしたが、それ故にか文章から頭に浮かび上がる映像がとても鮮明、清冽で驚いたのを良く憶えています。<P>それ以来川端作品を読み始め、新潮文庫刊のものは半分ぐらい、「伊豆の踊り子」「山の音」「千羽鶴」「虹いくたび」「愛する人達」「舞姫」、を読みました。<P>川端作品で優れているのはその映像喚起力(勝手につくってます(汗)だと思います。いままで読んだ文章の中でこれほど映像が浮かび上がってくるものには出会ったことがありませんでした。他の人の文を読むときは意識して情景を作り上げるよう努力しないと見えなかったのですが、川端作品は文が自分達から映像を作り出そうとし、すんなりとそれが組み上がる――そんな印象を受けるのです。<BR>そして、それを抜きにしても余りある人物・ストーリーの魅力。<BR>最後の一文を読んだとき、僕はその美しさに眼が眩み、思わずため息をつきました。<BR>なにか一冊本を薦めろと言われたら間違いなくこの作品を挙げます。<BR>読書感想文用にも趣味の読書用にも。<P>このレビューを今読んでいるあなたは「雪国」という作品に少しでも興味を抱いているのでしょう。でしたら、是非読んでみてください。<BR>いままで読んだ川端作品の中では最高傑作。<BR>いままで読んだ本の中でもトップクラス。<P>「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。」<P>気怠い美しさに、酔う。

受験生時代、冬休みに読みました。<BR>雪の降る日に窓辺で雪明りを受けて読みたい作品です。<BR>やはり冒頭の有名な一文は印象的で頭から離れない。<BR>それから著者の透明で美しい文章、目前に広がりそうな程の風景描写。<BR>純文学の代表作としてこれからも語り継がれる作品だと思います。

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