論語を読んでちょっととっつきにくいと感じる方は多いと思います。孔子の言葉の羅列からは、どのように孔子とその弟子たちが旅をし、思索し語り合ったかを想像するのは難しいからです。この老大作家の最後の作品では、生き生きと孔子とその高弟たちが動き出し、新たな命が論語に吹き込まれたかのような感覚を読むものに与えます。やや冗長ではあるものの、孔子の弟子の口述とその聴衆の発言を自由自在に行き来しつつ、いつしか著者が楽しんで語っているような、そして読者は聴衆の一人となり耳をそばだてているような、そんな錯覚におちいってしまうという、一級の小説家の仕事と感じ入りました。
井上靖って…読まれないよね~(笑)なんとなく、とっつきが悪い。夏休みの課題図書なんかにも、最近でも入ってるのかな??文部省、いや文部科学省か、が推薦したがる作家ですよね(爆笑)<BR>それと、この人の小説って、ある程度、舞台設定とか登場人物についての知識がないと読みづらいってのが敬遠される理由かも。同じ傾向は、辻邦生なんかにもあるんだけど(笑)<P>でもこの「孔子」、最初、かったるいのを我慢して一読する価値はあります。<BR>一言でまとめてしまえば、『人間とはいかに生きるべきか』って問いかけと、それに対する(ひとつの)答えが書かれている本なんだけど、この本を読ませたい人、身の回りにたくさんいるよ~(爆笑)と思うこと間違いなし(笑)<P>いい本です。たぶん、今の日本人が失いつつあるのが、書かれています。<BR>自分もこの本、買ってきてずっと積ん読してあったんだけど(笑)先日読んでみて、初めて納得がいきました(爆笑)まあ、それだけ年とった証拠かもしれないけどさ。こんな風に生きること、できないだろうけど(爆笑)でも…失いつつあるものの、大切さを感じとってほしい一冊です。