一サラリーマンの矜持から来る意地は、魔窟の様な大企業相手にはまさしく蟷螂の斧であった。しかし、長年の辛酸を睨め尽くしてきた主人公恩地は、時の首相に三顧の礼を持って招聘された新国航会長、国見の新設する、会長室部長の抜擢を受ける。<P>新会長国見は、長い間続いてきた国民航空の悪弊を断ち切ることを命題とし、王道を進みゆく為に、恩地の力を必要としたのだった。<BR>長年の裏切られ続けた彼の正義感は斜に、頑なになっていたが、国見の気高く篤実な人柄は、ついに恩地をして再び企業の正義の邁進に力を向けさせることに成功する。<P>国見、恩地は、果たして陰謀渦巻く中枢にメスを入れ、腐敗した腫瘍を取り除き、膿を吸い出すことが出来るのだろうか・・・?<P>「大人」国見と、時運を得ず雌伏し!ていた我等が恩地の出会いは、いままで見続けた者の溜飲が一気に下がる瞬間であろう。
閣議決定が大事やといいながら、その過程をちゃんと知らない人が小説を書いている。<BR>分かっている人が読んだら、興ざめするだけ。<BR>終わりになればなるほど、3流以下の政治小説になっている。<BR>最初の方は期待していただけに残念。
御巣鷹山事故のことはよく知っていても、その後の航空会社がどのような改革を行ったのか、行わなかったのか、ということは私の記憶からはすっぽり抜け落ちていた。その後数年して段々と飛行機にも乗るようになったのに、恥ずかしいことである。しかし全くこんなにひどい実態だったのか、唖然とせざるえない。どのように決着がつくのか見守りたい。