会社との出会い。それは伴侶との出会いにも似て、だとするとこんな痛快なぶっとびな会社と「相性」が良いというのも、またそれだけでひとつの才能であろうなぁと思われます。<P>そんな痛快な会社のあれこれを、これまた痛快な大作家お二人がほぼ体験記状態で描き出すのですからつまらないわけがない。<BR>作風もまたそれぞれで二度おいしい構成。ナイスです。<P>かつて感動したオールドと肴のシリーズ広告や、極端なあの発想が好きだったペンギンズバー。<BR>こんな会社だったからこそ生まれたのね、と感慨もひとしきり。
自分自身の不明に恥じるのだが、著者のお二人がサントリー、というか寿屋に勤めて雑誌を作っていたというのは知っていたが、生涯その会社に所属していたとは知らなかった。<BR>あらためてサントリーという会社を見直し、数々の印象深いTVコマーシャルを想った。<BR>最後の方に、現サントリー社員の女性の文章もなかなか印象に残ります。
開高健と山口瞳という、芥川賞・直木賞作家が、それぞれ在籍していたことのあるサントリーと、その創業者である鳥居信二郎の生涯を描いた作品です。開高健の描いた後半は、「耳の物語」などの小説と重なる部分もあって、彼の愛読者にはなじみ深いかも。<P>はじめは社史に掲載されていたという作品ですから、ちょっと浪花節過ぎる気もしますが、そこは二人の手練がぐいぐいと読ませます(笑)<BR>しかしサントリーって会社、この二人を在籍させていたんだから、凄い会社だよね。