容の大半はなかにしさんが実際経験された事とのことですが、壮絶です。あの時代に生きた方は皆さん様々な経験をされているのでしょうが・・・。私が同じ立場にいたら、波子(主人公でなかにしさんのお母様)程に強く、激しく子供を守って生き抜くことが出来たかしら。あ~怖い。戦争反対!!!ところで、今日映画を観てきましたが、原作を読んでいなかったら違う感想を持ったかも。上下2巻の小説を短い映画にするのはやっぱり難しいのかな。映画を観る前に原作を読むことをお勧めします。
著者である、なかにし礼氏の自伝的な作品です。著者の実際の体験を基に書かれた作品と言うだけあって第2次世界大戦前の満州国の繁栄と敗戦後の崩壊ぶりが手に取るように解る内容です。満州国とは一体何だったのか、当時の日本という国は何なのか。ともすると〝ラストエンペラー〟溥儀の側から描かれるものから見てしまいがちな歴史を開拓者である日本人の一般人の側から原体験をもって語ることでその存在を見事に浮き上がらせたと言えます。<BR>そうしたなかにあって主人公の波子が一人の母親として、女性としての本能をもって過酷な環境を乗り切る壮大な物語となっています。この作品は波子役を常盤貴子が演じて映画化されるとのこと、楽しみです。