ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上)    新潮文庫 みんなこんな本を読んできた ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) 新潮文庫
 
 
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ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) 新潮文庫 ( 塩野 七生 )

唯一、ローマ帝国を危機に陥れた天才戦術家ハンニンバル!彼はアレキサンダーにならい書記官を同行させて長大な遠征を行った。その記録からハンニバルがいかにして戦い、いかにして敗れていったのかを知ることができます。すごいですハンニバル!!そしてそのハンニバルを破る事になるローマの粘り強さも見ものです。

塩野七生によるローマ史全10巻の第三巻にあたる。ローマ史前半の山場になるであろうカルタゴ対ローマ、地中海の経済覇権をめぐる戦争を描く。三次に渡り、最後は国論をまとめ挙国一致で対処したローマが勝ち、カルタゴは滅亡する。<P>フランスからアルプスを越えてイタリア半島に攻め入ったカルタゴのハンニバルという稀に見る天才軍略家による第二次ポエニ戦争が圧巻。この第二次ポエニ戦争はスペインを植民地としたハンニバルによってカルタゴ本国には無断で起こされた。追認するカルタゴ本国。暴走する現地駐留軍とそれを制止できない本国という構図は、さながら戦前日本の満州事変における関東軍と日本政府との関係を思わせる。<BR>29歳で戦争を始め、本国からは十分な支援を得られないまま16年間!も敵国内で活動を続けたハンニバルの精神力、行動力、統率力には驚嘆させられる。<BR>判官びいきでどうしてもハンニバル側を応援したくなるが、この亡国の危機に対するローマ側の対応もまた注目してみたい。

本巻は、カルタゴの名将ハンニバルとローマとの戦いにスポットを当てた「ハンニバル戦記」3部の第一部である。しかしながら、本巻では残念ながらハンニバルが将軍になる前の第一次ポエニ戦役がその部隊である。<P>カルタゴはローマよりもはるかに歴史が古く、地中海の覇権を長く握っていた国である。しかし、結論から言うとローマはそのカルタゴとの戦いに勝利を収め、地中海の要衝シチリア等をローマ連合下に入れる。<P>この戦いでのローマの道のりを見ていく中で私の印象に残ったのが、その「吸収力」である。<P>それはまず戦いの現場に現れている。まだ600年程度しか歴史がなく、これまで海での戦闘の経験のなかったローマ軍であるが、ローマ連合の海運国のノウハウの活用と独自のアイディアで生み出した新!しい武器でカルタゴの海軍を撃破する。このエピソードなどは戦いに勝った相手であっても自治権を十分に認め、そこから新しい何かを吸収しようとしたローマの真骨頂であろう。<BR>また、戦いに敗れた時の執政官の扱いにも特徴があっても面白い。負けた責任は彼にあるとしても、彼はその敗戦で多くを吸収しているであろうと次のチャンスが与えられる。当然彼は経験を活かし奮起し、戦いに勝利する。<P>戦いに勝った相手を単に支配下におさめて「ローマ化」するのではなく、多様な自治を認め吸収していったローマ。先は長いシリーズ本であるが、ローマの魅力はますます増してきた。

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