私の蔵書は昭和52年版で、頁が赤茶けてしまっている。ところどころ引いた線が読み返すと恥ずかしい。<BR>時々「樹下の二人」を口ずさんでは、甘酸っぱい気分に浸ってしまう。
余りに純粋で綺麗過ぎな愛に、最初は嫌悪感を覚える人もいるかもしれませんが、読後、何か謙虚に一歩進んだ気がする本です。 <BR>現代人の浅はかな恋愛事情に、(笑)<BR>アンチテーゼを立ててくれる書です。<P>こういう恋ができるお2人の様子を読んでいるだけで、幸せな感じになります。<P><純愛>とは今のご時世では死語になりつつありますが、素晴らしいものですねぇ。
いうまでもなく、読む人すべての胸を打つ感動の連作詩集。<BR>とくにあのレモン哀歌のうつくしさ!!<BR>高村光太郎は、この「智恵子抄」執筆と同時期に無数の戦争賛美詩を<BR>書き次いでおり、(智恵子が悲しい病にたおれたのは戦時中です)<BR>「皇紀二六〇〇年」や「すすめわが皇軍」など<BR>の感慨深い作品をいくつも残しています。<P>これらの作品は、ざんねんながらこの「智恵子抄」には収録されて<BR>いませんが、(全詩集などにはいっしょにはいっています。)<BR>こうした作品を読み合わせることで、レモン哀歌の美しさ、<BR>智恵子の無上の美しさは永遠となるのではないでしょうか。