旅情を書き立ててくれる本であり、<BR>同時に昔の旅を思い出させてくれる本である。<BR>最初に読了した後、無性に旅に出たくなり、<BR>取るものもとりあえず旅に飛び出したことを覚えている。<BR>それから、年月は過ぎ、昔のように衝動的に旅に出ることは<BR>できなくなった今では、昔の思い出を思い出させてくれる本として<BR>毎年再読しています。
日本を出てアジアからシルクロードを辿り、ヨーロッパまで旅する紀行文シリーズの第1巻。紀行文というとのんびり平和な印象だが、このシリーズは旅を、空間を、駆け抜けているような感じで書かれている。<P>さて、第1巻は香港・マカオ編である。これほど香港にのめりこんだ人はいないだろう。そしてマカオでの大小・・。熱狂の渦の中で高揚しているのがよくわかる。この本に影響されて旅に出たくなる人間が多いのが実感できる旅の出だし。<P>ダイナミック・アジア!
「香港から陸路を定期路線バスを乗り継いでロンドンにたどり着けるか?」という馬鹿馬鹿しい賭けから始まったノンフィクション・ライター、沢木耕太郎26才の時の大旅行ルポルタージュ。<P> 旅というものは寂しくて切なくて、それでいてやはり面白いものなのだということを改めて実感できる一冊。1人旅というのはつくづく自分の内面と向かい合うということなのだなあと思う。<P> 誰のどんな時代の貧乏旅行にでもつきもののアクシデントやハプニングの連続。30も半ばを過ぎた今となってはやりたくても身体がついていかないところもあるけれど、それでも読み終わる頃にはやっぱりバッグに荷物を積めてあてのない旅に出たくなってくる。<P> もしも18才で読んでいたなら今僕はここにいないだろうという!確信すらある。風に吹かれて旅をしたくなるのは誰もが一度は通る、避けては通れない熱病のようなものだから、人生棒に振るつもりで旅に出てしまうのも良いのではないでしょうか(責任は取りませんよ(笑))。