とても面白かったです。「シェークスピアの本を読んでみたい、でも、本屋さんで翻訳を見てみたら、いきなり読む気をなくした」なんて経験がある人に、是非お奨めです。星5つでないのは、阿刀田さんの過去のシリーズを全て読んでいる人には「やや厭きてくるかな」と思っただけで、星5つでもいっこうに構いません。
「小説新潮」に1999年4月から12回にわたって掲載されたコラムの再録。シェイクスピアの生涯について語った第1回を除き、シェイクスピアの37の戯曲から、「ハムレット」、「オセロー」、「夏の夜の夢」など有名なものを毎回1つずつ計11篇を解説する。<P>シェイクスピアの戯曲のうち、特に有名なものはすべて網羅されている上に読みやすいので、入門書としては最適でしょう。取りあげた戯曲のあらすじ、背景、見どころなどをウィットに富んだ文章で紹介していきます。またシェイクスピア劇の重層性について解説したり、少々辻褄が合わなくてもドラマツルギーを大切にする書きかた、同じ物書きとして、シェイクスピアの創作に対する姿勢などにも思いを馳せていきます。翻訳の問題も指摘しています。可能であれば、原文で読むに越したことはないようです。<P>さっと読めるわりに盛りだくさんなのは、阿刀田氏の「楽しむために」シリーズならではでしょう。惜しむらくは、雑誌連載だったせいか、まとめて読むと似たような解説が何度も出てきて少々くどいことでしょうか。
昔々、一応、手にとったよなぁ、新潮文庫で「ハムレット」とか。<BR>「シェイクスピアとか」かじっておきたいお年頃だった、と。<BR>もちろん10頁も繰らないうちに爆睡したが。<BR>それもそのはず、「本」として読むもんじゃなかったのね。<BR>その時代の空気を吸ってこその「劇」。<P>で、その空気までも吸わせてくれるような多角視点の切り込み・情報満載にて、読後は劇以上に劇を堪能した気分なり。<P>昔のリベンジ、やっぱり「シェイクスピアくらい」は知っておきたい…<BR>が、日々是多忙!ってな御仁に最適。<BR>たった一冊で得られるシェイクスピア11作品&その周辺です。