一橋氏の著書の中で、一番夢中になって読みました。<BR>巻末に添付してある資料が豊富なのも嬉しいです。<BR>深い、深い事件ですね。
犯罪ノンフィクションを面白いというのはいけないことかもしれないが、何しろ面白い。一日で読んでしまった。一つ疑問なのは、犯人を突き止めたような叙述が見られるが、果たして真実なのか、ということ。著者は、「三億円事件」でも犯人を「突き止め」、アメリカまで追っている。なんだか半信半疑で読んだ。そもそも、この著者、一橋氏は一人ではないのではないか? 多分、数人の新聞記者が協力して書いている、というのが私の推理である。
現在30歳以上の人達なら、怪人21面相のグリコ・森永事件の記憶ははっきり残っているだろう。私などはマスコミに送られてくる犯人からの手紙を、わくわくする気持ちで読んでいた。<P>この本はそのグリコ・森永事件の核心に迫り、犯人像を明らかにする内容である。前半はなぜグリコが狙われたかなど社会的な面から事件を追っており、なるほどと真実味を感じさせる。後半は犯人に迫る内容で、へぇーと驚かされる反面、これだけ犯人像が明らかになっていて、一人の関係者も逮捕されていないのはおかしいのではないかという気がするし、犯人の1人に直接取材している場面など、フィクションなのでは? と疑ってしまう内容もみられる。<BR>しかし、読みものとして面白いのは間違いない。グリコ・森永事件が記憶に残っている人には、是非おすすめしたい。