「あの一橋文哉氏が宮崎事件にどう迫るか」そういった観点で読むと“ちょっと突っ込みが足りない”と感じると思います。<BR>けれど、それは宮崎事件を特殊だと思うからであって、実際のところ本書を読んだことで、ようやく等身大の宮崎 勤が見えてきたように感じました。<P>一橋氏にとっては、結論がシンプルなだけに、ナゾを解き明かしていくような構成ができなかったのでは?<BR>その分、あくまで鑑定時の問診や捜査報告書を丹念に調べ、その引用から読者に「そういうことさ」と言っているように読み取れます。<BR>また、公開されていない証拠物件に辿りついているところはさすがだと思います。<P>いいかげんなメディアのニュースはいらないし、鑑定人の不十分な診断結果もいらない。もちろんワンパターンな弁護側の法廷戦術などもってのほかでしょう。宮崎の供述内容を追っていけば本質は分かるじゃないか。<BR>いろんなフィルタがかかった報道のせいでなんとも中途半端だった宮崎像がハッキリしました。
~事件発生から 犯人逮捕までは 異常な猟奇連続殺人事件として 当時捉えていました。しかし 本書により より深い謎に包まれて事件全体が 浮かび上がってきました。精神面からの検証 子供から青年期に至るまでの家庭環境から来る異常性など 詳細に検証しています。裁判記録 鑑定人との記録などは 正直言って気分が 悪くなりました。警視庁に勤めたこ~~とのある百戦錬磨の「A氏」の発言が きっかけで事件全体を再検証し 犯行動機の真実を 暴き出しています。十分説得力があり 納得もできます。しかし なぜ簡単に捕まるような 失敗をしたのか。これも計算のうちなのか 疑問が浮かびました。~
もう15年前の事件なのですね。 宮崎勤(勉?)は今年41歳になったそうで・・<BR>被告が精神病を偽って自分の犯した罪から目をそらそうとする姿を丁寧に暴いている本です。<P>自己中心的で子供っぽい性格の被告、<BR>その人格形成に至る過程で家庭環境が大きな要素だったようです。<P>・体面を気にする一方、家庭には目を向けない父親。<BR>・それに苛立ちヒステリックになる母親。<BR>・父親による母親に対する暴力、父と母の不和。<BR>・生まれつき手に障害を持つ宮崎勤、それに適切な処置をしなかった両親<BR>・手の障害をずっとコンプレックスに思う宮崎勤<P>自己中心的な性格が故に仲間を作る事ができず<BR>社会人やオタクにはなりきれず、自分の世界に閉じこもって一人遊びするしかなかった宮崎勤が<BR>鬱積したものを弱いものへぶつけてしまった姿は、宅間守と同じだと思いました。<BR>最近、連れ去り事件が勃発してますが、宮崎勤と同じような人間の仕業ではないでしょうか?<P>本書は宮崎勤が児童に行った行為を事細かく表記しています。<BR>かなり嫌な気分にさせられます。<BR>最後に「人としての宮崎勤」を見ることが出来てちょっと安心しましたが・・