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| 腰痛放浪記 椅子がこわい
(
夏樹 静子
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著者は推理小説作家だが、名前は知っていたものの小説は読んだことがなかった。<BR> これは小説ではなく、原因不明の腰痛におそわれ、治癒するまでの闘病記である。<BR> 発症し、手当たり次第に効果のありそうな治療法を試し、どれも功を奏せず、絶望的になっていく3年間が前半分。<P> 経済的には恵まれているとはいえ、日常生活もままならない腰痛におそわれ、苦しみぬく記録である。<BR> 編集者など、広い情報網を持つ知人が多く、とにかく次々に試しては失望する。<P> 心因性のものだろうと言われるようになったところで、ついに、心身症として治療してくれる医師に出会うのだが、名医と呼ばれるひとが次々に実名で出てくる。第3章のタイトル通り「世に腰痛者と名医は多い」のである。<BR> 何しろ、!器質的疾患ではないのだから、腰痛を治す名医では治せないのだ。<P> 自分自身の内面にある原因と向き合い、治癒していくのだが、治療法に不信感を抱いた時のこともそのまま正直に書いてある。<BR> 書名の「椅子がこわい」は、文字通り、椅子に腰をかけていると痛みだすということなのだが、実は、椅子に腰掛けることによって引き出される潜在意識がこわいのである。<P> 文章は読みやすい。医学用語なのか、「増悪《ぞうあく》」という語が頻出するのが目をひいた。
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