今ではサドラーという追っかけファンまで出る人気指揮者になった著者が、数々のコンクール参加や人々との出会いを通じ、小澤征爾やバーンスタインらに認められ、フランスのオーケストラの指揮者になるまでの修行時代を綴ったエッセイです。著者の豪快で情熱的な指揮同様、猪突猛進ぶりの行動が巻き起こすドタバタ劇にあふれており、非常に面白いッセイです。しかし、その猪突猛進さの裏にあるのは「音楽が好きだから、どうしても指揮者になりたい」という著者の情熱の強さです。著者は確かに音楽的な才能もあったのでしょうが、その情熱の強さがあったからこそ、小澤征爾やバーンスタインも彼を認めたのではないでしょうか。バーンスタインがいったように「ライフ・キャン・ビー・ビューティフル」。「人生はその人の情熱次第でどうにでもなるんだよ」ということを教えてくれる面白くて元気が出るエッセイです。
今や日本を代表する指揮者となった著者の自伝エッセイです。その豪快な指揮通り、関西弁で飾らず語られるドタバタエピソードの数々に笑わされました。とりわけ彼の師匠でもあるバーンスタインが関西弁で話すところは何かバーンスタインが本当に関西弁をしゃべっているようで大笑いさせられました。-もちろん著者がそのように訳しているだけなのですが。<P>また、小澤征爾やバーンスタインに認められ、支援されたように、彼には常人にはない音楽家としての才能ももちろんあったのだと思いますが、それ以上に彼は「音楽が好きなこと」に関して天才であったことがわかります。その音楽を愛する情熱ゆえに、小澤やバーンスタインが彼を支援したのだと思います。<P>「自分の生き方次第で、ライフ・キャン・ビー!!!ビューティフルなんだよ」と著者が肩を一押ししてくれる元気の出るエッセイです。また、著者の演奏会に足を運びたくなりました。
佐渡さんの指揮みたいに、ストレートな文章が心地よい。<BR>とてもおかしく素敵である。ここにも平然と世界に飛び立った若者がいた。<BR>小澤、バーンスタインに天才と言わしめた才能は日本ではなく世界に出て発揮された。クラシック音楽家の力量、佐渡さんの才能の凄さをを改めて知ることにもなった。<BR>佐渡さんは、音楽が好きでたまらない天才でもあったようだ。