中村好文さんの建築本の何処が良いのかと云うと、なによりも著作のあちこちにふんだんに登場してくる建物の周辺図とか、建物の平面図、建物の一部分や、そこに置かれている家具とか、はたまた建築家の似顔絵等々までを描いた本人自筆のイラストレーションではないかと思ってみたりします。ラフなスケッチのようなものから、製図に近いほどに非常に細かく描かれたものまで様々なイラストが登場してくるのですが、これが非常に心楽しい。イラストには、ワンポイント的な説明が付いていたり、イラスト本体を覆い尽くすくらいにびっしりと解説が書き込まれているようなものまであったりするのですが、それがまたとても心嬉しい。時にはそれが写真などよりイメージや空想を遥かに大きく膨らませてくれるようなのです。
住宅建築で有名な著者による、コルビジエやライト等、世界の有名建築家が設計した住宅建築のガイドブックです。<P>有名建築のガイドブックというと、写真がメインで、「どこがいいのかは自分で発見してください」的な解説の少ない類書も多い中、本書では、平面図と著者自身の撮影による沢山の写真を盛り込みながら、建築家がどういう所に、どういう工夫をこらしているのかが丁寧に説明してあり、建築家というのはこんなところまで考えているのかと、驚くと同時に楽しくなります。また、著者の飾らない人柄がにじみでた文章も、好感が持て、読んでいると心地よい気分にさせてくれます。建築とりわけ住宅建築ファンにお奨めできる本です。
建築、デザインについて素人ですが、とても楽しめました。<BR>私にとって、いつまでも飽きのこない大好きな一冊です。<BR>採り上げられている住宅は、名建築と呼ばれるものばかりとあって、何度みても新しい発見があるようなデザインの奥深さがあります。<P>著者のわかりやすく柔らかい物腰の解説文が、各々の住宅が建てられた経緯やその環境、或いは建築家がどんなことを考えて設計したのかというようなことまで想像させてくれて、心地よい気分になります。<BR>人を惹きつける建築とは何か、わずかながら答えに近づいたような気がしました。続編が待ち遠しいです。