北海道から九州まで、匠の技が光る宿泊可能な30の建物を泊まり歩いた記録を文章と写真で紹介し、好評を博した「週刊新潮」連載のエッエイを単行本にまとめた本です。著者が冒頭で「建築にこだわって宿を探してみた」とあるように、いわゆるメジャーな宿ではなく、匠の技が光る宿での宿泊記録が軽妙な文章で紹介されていますので、「へえ、こんな宿もあったのか」と思わず泊まってみたくなる宿が満載されています。各物件につき、住所・アクセス方法はもとより、料金も掲載されていますので、旅行好きな方のガイドブックの1つとしてお奨めします。ただ、カラー写真で掲載された物件も中にはあるのですが、多くの物件はモノクロ写真1枚だけですので、匠の技を写真で見れることを期待した方はがっかりされるかもわかりません。
温泉好き、旅好きの私にとって、旅館の見方が180度変わってしまった本でした。それぞれについての短いエッセイが、そこに泊まっている気分を十分に伝えてくれています。こんなにも変わった宿屋や、素晴らしい日本独特のインテリアを見せてくれる宿屋が日本にもあるなんて、とても驚きでした。私もぜひ週末を利用して、日頃のストレスを癒しに行きたいと思っています。