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ぬしさまへ ( 畠中 恵 )

シティリビングの小さな記事を見て買いました。カバーに描かれている妖怪達が本の中で大活躍!短編ミステリーを一話、二話と読み進み、登場人物(妖怪!?)の名前が頭に入った頃、一気に読み切りたくなる衝動に駆られます。朝のグッタリした電車の中で、夢うつつ読むには最適かも!?

病弱若だんなと妖怪たちの推理帖第二弾。面白かったです。<BR>しかし何より装丁が好きです。<BR>ハードカバーではなく、厚手の表紙が貼ってあって<BR>なんだか江戸時代の絵草子のような、そんな感じをうけます。<BR>見たことありませんが…。<BR>昔の本はこんなだったのかなと思います。<BR>そして、ぜひカバーをとってください。<BR>カバーをとると、鳴家たちがアクロバティックに文字を作っています。<BR>近くで見るとなにがなんやらわかりませんが<BR>ちょっと離してみると ほう なるほど と。<BR>凝った作りで、作った人たちの愛情が感じられます。<BR>大切にしたくなります。

前作『しゃばけ』の続編にあたる。<P>設定は前作を引きついでいるようで、祖母である大妖の血を引く一太郎は普通の人間だが、日本橋大店と若旦那として祖母の手下の妖怪たちに囲まてれ暮している。体は病気がちだが推理は冴えている。江戸で起った事件を妖怪たちを駆使しながら事件を解決していく。典型的な安楽椅子探偵の設定である。<P>この本は、この一太郎ものの6編の短編集となっている。<P>前作を読んでいないせいか、最初の2作「ぬしさまへ」と「栄吉の菓子」は話としてそれなりにおもしろいが、推理ものとしてはそこそこだし妖怪たちという要素を生かせていない、つまり「この妖怪たちがいたからこそ、こうも見事に解決できた!」というのがない。<P>が、読みすすめるうちに、「空のビードロ」「仁吉の!思い人」などは粋な人情話だし、特に「虹を見し事」などはストーリーもよいが水に写った月を掬う様など非常に妖しく美しい情景の描写が多く作者の力量を感じる仕上がりである。<P>オビには「痛快人情推理帖」とあるが、推理ものを期待するとちょっと違和感があるかもしれない。妖怪たちという独特の要素をからめて安楽椅子探偵的な推理もの体裁をとりながら「江戸の粋、人情」を描いた作品である。笑いあり涙ありで温かな気持になれる。<P>短編ということもあり非常に読みやすい。ほっとした気持に浸りたいとき、前作とあわせておすすめできる一冊だ。

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