おっユニクロの社長の本だと読んで見た。<BR>まあ、成功物語か伝記だろうと甘く見ていた。<P>甘かった。これは魂のこもった本である。<P>何十回も失敗したこと、失敗から生まれる工夫、<BR>欧米の成長企業のようになりたいという挑戦する意欲。<BR>今ブームが去り、定着しつつあるユニクロというベンチャー企業<P>のつまずいて成功し突っ走った歴史と革新が描かれている。<BR>それは、理想と理念を掲げ、現場と頭脳との調和、<BR>停滞への恐れからくる絶えず行われる組織変革などが、<BR>全力で走りながら行われていることが書かれているのだ。<P>様々なベンチャー企業の本を読んだが、ここまで頭を<BR>殴られたような感触にとらわれたのは初めてである。<P>成功するのは生易しいものではなく、計画を練って<BR>調査しても失敗し、絶えずあきらめず進んでいく<BR>柳井氏の激闘はまだまだ終わっていない。世界に戦いを<BR>挑む途中なのである。「楽して儲けよう」と考えている<BR>人にぜひ飲ませたいよい薬である。
その事業の最終形(理想型)を思索し、そこに向かって邁進する経営の成功が鮮やかに活写されている。経営に携わるものには示唆に富む。<BR>成功本を書いた経営者は皆、その後事業がおかしくなるが、本書の著者には当てはまらないだろう。執筆動機が、成功自慢ではなく、現状を確認し、世の誤解を解くために、明日のために書いた本だから。
率直に良い本と思う。内容的にはユニクロの前進の紳士服店から、最近のユニクロの発展まで、そして今後のビジョン等に関し、「仕事とは?経営とは?」と著者の経験をもとに赤裸々に語ってくれる。現場で蓄積された教訓、そして挫折だけに説得力は抜群。確かに急成長企業ではあろうが、内情は基本に忠実であり、ある意味地味であろう。但し、昔の諺通り「商いは牛の涎のように」、消費者・市場、現場主義を実践。とてもわかりやすく、明確だ。