本欄の先行する評者の方々が熱く語っているように、筆者も冒頭から最後まで一気に本書を読みほした。なるほど、圧倒的に面白い。<P>著者が類稀なバイタリティと先見性を持った起業家として、奮戦苦闘し成功の階段を上っていく様は、正に一篇のビルドウィングス・ロマンに接しているかの如く興奮させられた。成功談にありがちな我田引水めいた記述もなく、自らの至らなさや未熟さについても真摯に記しており、その点も非常に好感が持てる。<P>ただ、自らが立ち上げた会社への「あの決着のつけ方」(既知の方が殆どでしょうが、敢えて伏せます)には、著者自身、心の底からの充足を勝ち得たのだろうか? <P>日本の硬直した映画興行システム(ブロックブッキングや世界一高額な鑑賞代金等)に憤慨している、一介の映画ファンに過ぎない筆者からみれば、近年のヴァージンシネマズジャパンの躍進ぶりには溜飲が下がる思いでいっぱいだった。それゆえに、「エスタブリッシュメントに新興ベンチャーが資本の論理で呑みこまれる」という結末を残念に思ったのも事実である。<BR>直近の出来事で生々しい記載はためらわれたのであろうが、その辺りの著者の心の奥底をもう少し晒してみて欲しかった、というのは過ぎた望みなのだろうか。<BR>とまれ、著者の今後のご活躍を願ってやまない。
日系の山本さんが、悪戦苦闘の末成功へと進む様子を如実に表しています。そして、単なるサクセスストーリーではなく、とっても人間くさいドラマが描かれています。<P> 私自身、起業でもしてなんて考えています。その参考にとまでいかずしても、何かしらの行動を起こさせる起爆剤にはなりました。実際、この本を読んだ後、各種セミナーやキャッシュフローゲーム会などに足を運ぶようになり、勉強を始めることができました。<P> この本と近いと思いますが、タリーズコーヒーを創業された方の本で「すべては一杯のコーヒーから」だったかな~?これもいい本でした。<BR> 多くがサクセスしちゃいましたみたいな昔話的な要素が強いと思いますが、この2冊は、サクセスした瞬間とサクセス途上中を表した珍しい本です。<BR> 私は、好きな本です。
新潮社ホームページに出ていたこの本の紹介文の中にあった「成功しようと思うな、成功することを知れ」という一節が妙に気になって、さっそく読んでみることにしました。<P> 驚きました。日本語もほとんどしゃべれなかったガイジン(日系アメリカ人)の著者が、転職と失業を繰り返した末にシネコン会社の起業に成功し、しかも、その会社を五年で100億円企業に成長させるという話なのですから。こう書くと運の良い成功者の自慢話のように思えるでしょうが、そんなことはありませんでした。ストーリー展開はスピーディーで、文字通り手に汗握る面白さ、本当に一気に読み通せました。筆者の気持ちも手に取るように伝わってきて、読んでる間中感情移入し通しでした。筆者がどれだけ、ジリジリした気持ちで成功を渇望していたかが、本当によく分かりました。だから、起業が成功したり、会社の経営がうまくいったりする場面では、思わず、こちらも嬉しくなってしまうのです。<P>「成功しようと思うな、成功することを知れ」とは、筆者がこれまでの道程を振り返って会得した人生のノウハウなのでしょう。本当に含蓄のある言葉です。自分なりに噛みしめて、人生に活かしていきたいと思います。<BR> すべての起業家志望の若い人や、若手ビジネスマン、独立志望の人に絶対お薦めの一冊です。<BR>