糸井は偉いね。若い者のことを、これから先の世代のことをちゃんと考えていてくれる。<P>西部なんかは、自分は正しいことを言っているしやっているから偉いんだ、俺様の言うことを聞けと、相変わらず昔の左翼根性が抜けず危なっかしくて見てられないが、糸井の方がよほど西部謂うところのかつての日本の「国柄」を彷彿とさせる大人的風貌を漂わせはじめたのだから皮肉な話だ。<P>西部が行商している「国柄」(「国体」と正直に言えよ)は、共産党史なみの日本史解釈からうまれたイデオロギー的干物で、西部の思想的故郷を問わず語りにかたっている。煽動用スローガンさ、しかも荒唐無稽ときている。<P>糸井(や村上春樹)の本を読むと、20代の若年失業率20%強、130万人の無業状態の若者に本当に役に立つものを書いているのは誰かよくわかる。あとはどう具体化するかだな。
糸井重里の「触媒性」が、きらめいている。<P>その道にくわしい方々に、一応「素人」である糸井が<BR>話を聞くという体裁の本だ。<BR>対談、司会糸井(ただし、一家言あるぞ)って感じがした。<P>日頃まったく興味のわかない分野でも、<BR>こうして読みやすい形で書かれてあると、つい読んでしまうし、<BR>事実、おもしろい。<P>これだけ、幅広い分野の話が一冊にまとまっている書籍っていうのは、<BR>なかなかないんじゃないだろうか。<P>もしかしたら、この本を読むことで、<BR>自分では気付かなかった新しい関心領域への道が、<BR>みえてくるかもしれない。<P>私は、墓、ダジャレ、祭りのはなしがおもしろかった。<BR>これからは、まわりにひかれようとも、<P>積極的にダジャレをいってやろうと思ったし、<BR>死んだら、鳥葬も悪くないと感じたし、<BR>全国の祭り巡りツアーをいつかやるぞと決意した。<P>行動意欲をかき立てる本である。
日々、アンテナを張って「何か」を探している人には、何かしら感じるものがあるかもしれない。でも、何も感じないかもしれない。<P>それよりも、著者の「他人のふんどし」で仕事をする能力が感じられる一作。