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理科系の作文技術 ( 木下 是雄 )

「理科系の作文技術」というタイトルですが、これから論文を書く「理科系以外の人」も読んでおいて損はないはずです。<BR>対象の読者がいかに誤解しないよう、また理解しやすいような文章を書く方法(コツ)が述べられています。<BR>また、国語の先生にはぜひとも読んでほしい本です。

著者の文章はキレがあって読みやすい。さすがに、こういった本を出すだけのことはある。最近ではめったに出会わなくなった名文。また、名文を書く人。そのような今日にあって、文章の書き方・論理構成がわからない人は必読だ。文系の人が読んでも大いに役に立つ。<P>しかし昨今、プレゼンテーションや学会発表はパソコンが主なだけに、少々古いなぁと感じた。あとは、文句の付け所がない。

 名著。著者は文章の専門家ではなく物理学者。全11章のうち、1章~5章と最後の11章はまさに必読。<P> 理科系に限らず、レポートや論文を書く立場にあるあらゆる人に薦めます。ただし、人文・社会科学系の場合、著者が言うよりも「何故この問題を取り上げるのか」を強調する必要があるでしょう。

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理科系の作文技術調査報告、出張報告、技術報告、研究計画の申請書など、好むと好まざるとにかかわらず、書かなければならない書類は多い。 <p>このような書類を書く際にまず考えるべきことは、それを読むのは誰で、その文章から何を知りたいと思っているかである。それに応じて自分は何について書くか主題を決め、最終的にこういう主張をする、という目標を定めて書き始める。 <p>著者はまず、この目標を1つの文にまとめた目標規定文を書くことを勧める。そうすることで明確な目標意識を持つことができ、主張の一貫した文章を書くことができるというわけである。そしてその目標をにらみながら材料をメモし、序論、本論、結論といった原則に従って記述の順序や文章の組み立てを考え、すっきりと筋の通った形にしていく。本書では本論の叙述の順序、論理展開の順序、パラグラフの立て方から文の構造までを解説し、日本人に特有の明言を避ける傾向と対策、事実と意見の書き分けについても触れている。 <p>実際に著者が書いたメモや論文の一部など具体例がふんだんに盛り込まれており、わかりやすい。いかに簡潔な表現で筋の通った主張をし、読む人を納得させることができるか。理科系ならずとも、論理的に思考し文章化することは、常に求められる能力である。本書ではそれに必要な技術、フォーマット一般が整理されており、参考になる。多少語調が古い感じもするが、それも再版を重ね、多くの人に読まれている証であろう。(宮崎 郁)
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