この本では江戸時代の「走り」についてデータや文書を細かく評価し、その実状・要因を捉えると共に、大名・武士の経済状況についても分析を行っている。テレビの時代劇では農民層が武士に圧制を強いられている様な表現が多々観られるが、それらが大きな見当違いで、且つそれ以上に農民が自由な領地移動を繰り返していた事を指摘している。時代劇等で定式化した時代認識を反転し、実際の姿がどんなであったかを理解する良い材料と言えるでしょう。（だけど、ちょっとデータが多めな感じがします）