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中国人犯罪グループ―下見・実行・換金 ( 森田 靖郎 )

 1945年生まれのノンフィクション作家が、「闇の中国人ネットワーク社会」が安全神話といわれた日本の治安を揺るがし始めているとして、2004年に刊行した本。来日中国人犯罪が凶悪化・広域化し、日本人狙いになっていること、ヒット・アンド・アウェーによって検挙率を低下させていること、実行犯のプロフィール、マフィア・情報屋・蛇頭システム・引き出し屋等の存在、中国の情勢、偽装結婚・偽装残留孤児等の例、中国人犯罪への対策等について、具体例を挙げながら論じている。犯罪のグローバリゼーションについて、「中国人」を例に、多角的に論じた本と言える。また、日本の少子化や経済構造を視野に入れて、出稼ぎ目的の外国人に条件付きで労働許可を与えるべきであるとする著者の提言は、高飛車な中国批判への戒めや摘発強化政策の限界の指摘とあわせ、妥当な見解と言えよう。<P> ただし、本書は全体的に見て、あまりお薦めできる本ではない。第一に、来日外国人犯罪に占める中国人の割合の高さが冒頭で強調されているが、そもそも日本の犯罪全体に占める来日外国人犯罪の比重については言及がない。第二に、実際の例では日本人等も非常に大きな役割を担っているにもかかわらず、著者は「中国人」犯罪グループを強調する。国境を越えた犯罪組織と見た方が正確だと思うし、あえて国名を冠することにより生じる民族的偏見は、著者の末尾での提言ともいささかそぐわない気がするのだが。第三に、それらの結果、著者の提言も犯罪一般への対策と「中国人犯罪」への対策とが混濁し、全体的に論点があまり整理されていない感が強い。最後に、明治時代には急激な近代化の中、日本人も海外に移民したが、本書のような事態が起こったのかどうか、気になるところである。

内容が非常にわかりやすくて、より私たちの生活に非常に近い問題・危機として捉えました。これから高齢、少子化により、祖父・祖母の代の方々が増えていきますが、その方々が狙われて、お金だけでなく命まで狙われるとなると大変なことになります。特に中国にはものすごい人口がいて、極端な話、日本で悪いことをしようという数も、相対的に大きなはずです。もっと「日本を守る」という点からも対策を講じて欲しいものです。

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