チャペック好きな方だけでなく、「紅茶屋さんの名前でしょ?」というカフェ好き、紅茶好き、可愛い雑貨好きな方にも、園芸入門書と思われた日曜ガ-デナーの方にも、笑える本読みたいなあ、という方にも、「戦争反対、恋愛賛成」な方にも。老若男女幅広く楽しめる本です。何回読んでも爆笑。
四季を通じて自分の庭に心を砕き、「晴れだ」「雨だ」「土作りだ」「植付けだ」と一日として心の休まることのない園芸マニアの“悲しい性”をユーモアたっぷりに描いている。この本が書かれた20世紀前半とガーデニングブームの当代を比べて、マニアのこの性分は何ら変わりないだけに、なおのこと面白い。マニア本人および、家族や知人は「その通り」とうなずき、苦笑しながら読むことになる。<BR>チェコを代表する作家であり、新聞記者だった著者カレル・チャペック自ら園芸マニア。本書によどみなく登場する草花の名前に、その執着振りを知ることとができる。いっそ図鑑を片手に読むのも面白いかも。<BR>挿絵は兄のヨゼフ・チャペックが描いた。新聞の風刺画のようで、これまた読者の笑いを誘う。
文学家で、劇作家のカレル・チャペックが自ら没頭する趣味(趣味どころか完全に生活になっている)の園芸について書いている興味深い書である.著者は園芸の専門家ではないので、技術的なことはほとんど書かれていなくが、園芸家という種類の生き物の習性について非常にうまく描写していると思う.園芸初心者の私から見ても、この本に書かれているようなおたく的園芸家と心情的に共感する部分がかなりあって面白い.特に面白いのは、園芸家が花そのものより、土や、虫など環境により執着し1年間をすごし、雪の降る季節になってから自分が1年間庭をゆっくり鑑賞することがなかったことに気づく点など、まさしくといった感じで共鳴する.