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| 沖縄文化論―忘れられた日本
(
岡本 太郎
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沖縄についてはあまりにも多くの楽しい本や、おもしろい本が出版されている中、この本はそれらとは内容を異にし、青い海、まばゆい太陽、と手放しで楽しんでばかりいるのが少し反省される内容である。私自身沖縄は大好きで、これまでも数回行ったことがあり、一度は民宿の手伝いもしたが、やはり単なる観光では知ることが出来ない面を知った。この本でも、単なるブームでは知ることの出来ない沖縄がある。 岡本太郎といえば「縄文」をイメージしますが、この本を読む限り、「沖縄」から与えられた力というのは、ある意味、縄文以上だったのかもと感じさせます。<P>太郎が沖縄から受けたショックは、縄文同様ある種の原点回帰であって、沖縄を知ることで日本を知り、そして自分が何者かであるかを知ること。この本が一貫している点です。<P>今の日本人にありがちな、沖縄に何かをしてあげる、という視点ではなく、沖縄を通して、日本を、そして自分を問う試み。これが本書の特徴です。あまりにも明快で、もやもやした気分がスッキリしました。
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