このほんの読みやすい理由は、あまり定量的な計算方法が少ない一方で、図や表や箇条書きなどをもちいて、ポイントをまとめてくれいるからである。また、具体的な事例も多くイメージの沸きやすいものが多く、考えながら読める。この点もよい。文庫化され持ち運びも便利になった。値段も手頃。おすすめ。
ハードカバーでなく文庫本で、しかも地味な装丁なので目立ちませんが、中身は盛りだくさんで十分おつりがくる本です。日本の経営においても経営スピードが加速したことによる迅速な意思決定が求められるようになり、さらには組織ではなく個人が意思決定しなければならない局面が多くなるにつれて、サイエンスアプローチによる経営判断に光があたるようになってきました。本書はややアカデミックにかかれていますが、実践で十分使える内容なので読んで損はないでしょう。
伝統的な意思決定論では、問題の定義→評価基準の発見→基準間の重み付け→選択肢の生成→選択肢の評価→最適な決定の計算→選択肢の選択、というプロセスを経る。多くの意思決定本では、そのような意思決定プロセスを紹介している。<P>しかしながら、実際の意思決定にあたり、そのようなプロセスを経ていないことは、日々多くの意思決定を行っている我々こそが、知っていることである。<P>この本では、伝統的な意思決定論ではなく、我々が常日頃おこなっている直感的意思決定を中心に、その落とし穴、すなわち、意思決定で陥りがちな失敗パターンについて、心理学、確率論、ゲーム理論などの、幅広い分野から解説しており、非常に興味深い。<P>各分野ごとにみると、それほど新鮮さはないかもしれないが、そ!を集めて意思決定の視点でまとめなおした試みを評価したい。<P>あえて星5つではなく、星4つとしたのは、総花的すぎて印象に残りにくい点と、各分野間の構造的分析に不足感があった点である。