数学的素養が乏しい人でも、最初からきっちりと読み進めるとついてゆける。練習問題も創意工夫が凝らされており、やっていて飽きない。我々が「論理」という言葉を使うとき、はたしてそれが何を意味しているのか考えさせられる。今はやりの「ロジカルシンキング」などは、表面的でうさん臭い面もあるが、そういったものに対して反感を抱く人が読めば、それなりに楽しめると思う。東大教養学部前期課程の副教材にもなっている。
専門書でなくて教養書なので、趣味の読書には他の同分野の本より適していましょう。<BR>本格的に勉強したい場合は、きっとこれ一冊というわけにはいきません。
論理学の教科書と聞くとなんともいかめしい感じがぬぐえないが(東京大学出版だし。)、そんなことはない。非常に面白い本である。文理を問わず、論理学の入門者あるいは、ただ教養のために読むのにもお勧めできる。内容は命題論理からゲーデルの不完全性定理までを解説している。<P>全編に会話が挿入されていて、この掛け合いが絶妙である。単なる雑談調の掛け合い(漫談?)に見えて実は深い発言が随所に現れている。教科書として論理学のすみからすみまで網羅されているわけではないが、冒頭に書かれている通り、論理学の名所への「実地」観光としては(雰囲気その他合わせて)本書に並ぶ本は少ないだろう。