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専門知と公共性―科学技術社会論の構築へ向けて ( 藤垣 裕子 )

科学技術研究開発の成果としての科学(学術)論文の生産から、公表、需要と実行、評価という一連の流れを<ジャーナル共同体>というパラダイムで新たに定義した革新的な著作。従来唱えられてきた科学計量学(scientometrics)での議論を精密に再検証して得られた<ジャーナル共同体>での知的営為を分析して得られた過程分析では、実証的根拠に欠けがちであったが、フィールドワークを含めた実地検証を踏まえた論証と理論構築は白眉である。<BR>わかりにくい概念には、過不足のない図で補い、注も書誌的な来歴に終わらない学説への著者自らの解釈を記載しており、この解釈が著者の濃密で重厚な知的誠実さを物語っている。リサーチフロントに立つ科学研究者全員に読んでほしい名著の誕生である。

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