孤高の画家ともいわれ、日本のゴーギャンとも例えられる、<BR>田中一村のとても素敵な作品集です。<BR>寡作で知られてる一村なので、<BR>作品数はさほど多くはないのですが、<BR>そのどれもが、色鮮やかで美しく、今なお新しく感じる作品です。<P>いくつかある一村本のなかで、一番、見やすく、実物に近い色合いを保ち、<P>全体図と拡大図が表示されたりと、工夫があるのがこの作品集です。<BR>我が家のお気に入りの一冊です。
田中一村は7才で神童と騒がれた程の実力の持ち主でしたが、日本画画壇の権威主義に反発し、長い間美術界にはしられずにいました。経済的にはかなり苦ししかったのですが絵に対する情熱は強く、自分の信念と<P>良心に基づき、昭和54年69才で亡くなるまで生涯作品を描きつづけました。彼の作品はやはり奄美大島の自然を描いたものに、強い感動を覚えます。彼の繊細な感性が、優れたテクニックと鮮やかな色彩でみごとに表現されています。現在では美術の教科書にも紹介されるように<P>なりましたが、死後世間の注目を引くまでの過程も他の画家とは異なります。画集でも一村の素晴らしさが伝わりますが、きっとオリジナルを<BR>見たくなることでしょう。