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世界石油戦争―燃えあがる歴史のパイプライン ( 広瀬 隆 )

一般の歴史書がすべて真実を記している事はない、あくまで歴史である、学校の教科書が正しい歴史観を全部伝えているとはいえない、中東問題をまるで対岸の火事、どこか遥か遠くの異国の地で起きている宗教観の対立、石油利権の対立問題という極めて皮相的な、表層的な歴史の捉え方では真実は見えてこないし知り得ない、確かに古代時代からの連綿と連なる日本の歴史も必要だが、今必要のは我々が生きている現代史の深遠を紐解く真の歴史書である、その意味で洞察力を磨くためにも本著は一読の名著である

広瀬隆の本はどれもみな似たようなもので、事実を客観的に捉えて伝えるものではなく、最初に思い入れや思い込みがあり、どうにかして自分の主張を押し通そうとしているのが顕著に見られます。本書にもまず最初に、「オサマビンラディンは立派な建築家であり、過去にテロなど行ったことはなく、全てアメリカの言いがかりである」、「アフガン空爆は米英が利権を確保するための侵略戦争」、「炭素菌事件の犯人を何とかしてイスラム教徒であるとでっち上げようとしたが、それに失敗したため、FBIは真犯人を知りながら逮捕しなかった」等と言った勝手な思い込みがあり、さらには過去のパレスチナやサウジアラビアに関する欧米の姿勢を述べることで、欧米こそが「悪」で、それに抵抗するイスラム教徒は「正義」であるといった主張をどうにかして押し通そうとしている様子が窺えます。<P>そのために、所々イスラムに対する一方的な思い入れとしか言いようがない記述が目立ち(利子のない金融システムやイランの白色革命に関する記述など。実際にはサウジの金融システムには、事業に失敗すれば三社とも持金が0になるなどの問題が多々あるわけですし、白色革命は農地改革や識字率の向上による政治改革を目指したもので、恐怖政治と何ら関係はありません)、彼独自の手法である人脈の系図などというのも、読み手をわざと混乱させているとしか思えません。また、常軌を逸しているとしか思えないテロリストと、穏健なイスラム教徒を区別せず、あたかもイスラム教徒が皆が皆テロ(広瀬流にいえばゲリラ)を支持しているような書き方も主張を通すためのプロパガンダと思われます。この手のプロパガンダをフルに活用してたどり着くのは、「イスラム教徒を長年に渡って苦しめてきたのはロスチャイルドであり、この一族に私物化された欧米諸国である。9.11の事件で彼らに報復する資格などなく、謝罪せねばならないのは彼らのほうなのだ。」やれやれ。この理屈は「日本は我々を植民地支配で苦しめたのだから、我々は日本に対して何をやってもいい。日本はひたすら謝罪せよ」という北朝鮮の屁理屈と同じで、塔底受け入れられるものではありません。あまりの暴論です。<BR>ジャーナリストでも専門家でもない、一介の作家にしては頑張ってよく書いたとは思いますが、平均的な中東書籍からはあまりに逸脱した記述が多いため、うかつに信用しない方がいいと思います。

 いかにも広瀬隆らしい作品であり、誰にも真似の出来ないものであると言えよう。系図を駆使するこの手法は、彼の主著である『赤い盾』から綿々と受け継がれているものである。果たして「血の濃さ」がそれほどまでに重要なものであるのか?に関しては、私自身は、現代に至るまでまだ自分は判断がつかないところであるが、例えば本書300-301頁の系図に見られる現大統領G.ブッシュと、「2000年の大統領選当確判定責任者」John Ellisの関係などは衝撃的であると言えよう。<P>いずれにせよ、広瀬は彼自身の分析法を編み出したわけであり、その信じられないほど複雑かつ膨大な系図や、それを用いて叩きつける様に語る分析を読んでいると感嘆せざるを得ない。実際、このような物を次々と書き続ける彼のバイタリティーを見る時、自分自身の不勉強さを恥じるばかりである。<P>誰かが読み難いと書いていたが、確かにその点に関しては私も感じることがままあり、あまりにも縦横無尽に話が展開されるため、一体誰が誰なのか混乱することもある。一つには慣れの問題であろうが、本作の場合、いつもであれば巻末に付けられるはずの索引が今回は無いのが実に残念である。<P>また、広瀬の著作を読んでいて常々感じることであるが、参考文献リストを付けてもらいたいと切に願う次第である。彼の場合、絶版、未翻訳の資料などを活用することが多いであろうことは想像に難くないが、しかし、参考文献リストが無ければ読者が彼の作品からより知識を深めていくことが困難に成ると思うのである。<P>また、出来ることならば『赤い盾』でも予告していることであるから、早い時期に朝鮮半島の分析を書いてもらいたいと切に願う次第である。

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