人の家におじゃましたときに、「アルバム見る？」と言われるとため息が出る。・・・身内にはほほえましいかもしれないが、部外者には苦痛以外の何物でもない。このような書き出しで始まる本書は、他人に見せて喜んでもらえるためのチップスが満載である。まったくもって、当然と思っていたことが間違っていたことに気づかされた。例えば、　記念写真で全身を入れなければいけない、という考えを捨てる　暗いところで、ストロボをたかない方がいい場合がある　明るいところで、ストロボが効果を出す場合がある　広角の方が、望遠より遠近感が出る　料理を撮影するとき、お皿全体を取ってはいけない　アルバムに撮影した写真を全て貼ってはいけないなどなど。とてもためになります。本書を読みながら、手持ちのデジカメとその解説書で実際の使い方を確認しましたが、以外に役に立つ機能が沢山あることを発見して、得をした気持ちになりました。

　目からウロコが落ちるような撮影ヒントが意外と満載で、実に有益な本だと思いました。<P>　例えば旅行の記念写真を撮る際に、訪れた先の名所旧跡の類いがあまりに巨大で、それと知人・友人とを同じフレーム内におさめようとして、ついつい人物のほうが豆粒のように小さくなってしまう経験が私にもあります。この本では、そんなときに取るべき工夫について教えてくれています。知人･友人のその場の表情こそが命であり、名所旧跡はそれと分かる程度の背景にとどめ、むしろ人物にぐっと近づいて腰から上くらいのサイズで大きく撮ることを勧めています。名所旧跡自体の全景写真はプロが撮った絵葉書を土産物店で買えばよいではないか、という「割り切り」を伝授してくれています。<P>　本書には実際に人物を大きく、そして訪れた場所を背景にとどめて撮った写真の実例が掲載されています。それを見るとその素晴らしさは一目瞭然。どうしてこんなことに気がつかなかったのだろうと思うほどです。<P>　また、ちょっと高台から眺め下ろす角度でシャッターを切ると、被写体の人物が水平線や地平線で首や腰を切りとられるような印象の写真を撮らずに済む、というアドバイスが載っています。これなども今度ぜひ実践してみたいという気にさせられました。<P>　さらに言えば、結婚式などで新郎新婦ばかりでなく、花嫁の指輪をした手のアップとか、ろうそくのアップなど、小物も狙って撮影しておくと、あとで雑誌グラビアのようなメリハリのあるアルバムが作れるというヒントが書かれています。このくだりも、思わず膝を打ったほどです。<P>　デジカメと一眼レフ、それぞれの長所短所を比較列挙していますから、どちらを買おうかと迷っている読者にはとても参考になると思います。<P>　この程度の価格で、自分の写真術をぐっとレベル・アップさせることが出来る様々なコツが手に入るとは、とっても得した気分にさせてくれる一冊です。