精神状態と脳内物質・神経の働きの関係を平易に解説し、神経の性質について実証的分析を行っている。具体的には、呼吸法や日常生活習慣をコントロールすることによって、神経の働きを変え、精神状況や身体をコントロールしようするのである。武道や禅で行おうとしている、呼吸法と、精神状況や身体の関係について、医学者の立場から統一的に説明しようとしている稀少な文献だと思う。武道の一段の上達を目指したい人、ストレスを感じ些細なことで怒りを感じる人、うつ気味で、気分が晴れない人等、多くの現代人に対して示唆に富んだ内容だと感じた。
面白かったです。勉強になったことを箇条書きにしてみます。<BR>・セロトニンは脳を覚醒状態に保つ。アイドリング機能に関係している<BR>・日光を浴びるとセロトニンが分泌されるが一時間程度で終わりになる<BR>・そのためそれ以上は逆効果になる<BR>・腹式呼吸やジョギングなどのリズム運動がセロトニンを増やす<P>・弓道や座禅による精神統一も呼吸法によるセロトニンの効果である<BR>・リラックスによるα波と爽快感のα波は別である<BR>・乳酸がパニック発作を起こすのはセロトニンの再取り込みを促進するから<BR>などなど・・・<BR>読んだ後はなんだか座禅をしたくなります。<BR>読んだだけでセロトニンが出そうな本でした。脳がスッキリ。