シリーズ全3巻の最終巻。迂闊にも最終巻を最初に手に取ってしまった。よってシリーズを通読するのとはきっと違った読後感となっている。主人公の少女娼婦バロットが、事件屋にして変幻自在のロボット、ウフコックの力を借りながら、ディーラー達とのブラックジャック勝負に挑む。200ページを優に超えるブラックジャックのシーンは息つく間もなくグイグイ読ませる。この筆力には脱帽。ブラックジャックは決してセオリーやテクニックを身につければ勝てるものではない。「問題はカードではなくバロット自身」なのだ。この部分はブラックジャックを通した少女の成長物語として読むことができる。最終巻から読んでしまったので、このブラックジャック・バトルがとにかく圧巻で、その後に続くクライマックス・シーンが付け足しのように感じられてしまった。
ダヴィンチという雑誌で、二人の方が今年一番面白かった本として上げられていたいたので、読んでみました。もう、最高でした!!重いテーマと、重い内容…かと思いきや、これがすんなり読める。すんなり読ませる文章がとても上手いですね。バトルシーンは、はてな?と思うくらいにハイスピード&リアルです。久しぶりに文章をイメージするのが楽しい本でした☆かなり面白い☆作者も嘔吐した程のカジノシーンは芸術としか言いようがありません。熱気とプレッシャーがムンムンするのを感じました。ラストは少し切なく、哀しい。でも、それがバロットが生きていく第一歩で、あぁ…終わっちゃったなあ…。ともの悲しくなりました。これ、続きを書いて欲しい気もします。その後バロットは事件屋としてどうなるのか?はたまたウフコックの命は?などなど。でも、こんなの読者の我が儘以外のなんでもないので、沖方さんにはまた新しい物語を書いていただくのを望むのみです。
3巻目の3巻。ブラックジャックでの最強のディーラーとの対決、そして「殺戮マシーン」の殺し屋と、武器や超能力を駆使しての対決で、幕を閉じます。主人公の少女は最後まで生き残るのか、そして少女が最後に見るものは・・?3巻目は、1巻目と2巻目の面白さが、あわさったような印象です。久々、早く最後が知りたいような、終わって欲しくないような本でした。続きが読みたいような、最後の余情に浸っていたいようなぁ。あー、もう1回読もうー。