私は、”新撰組”と言われても、あまり良いイメージはなかった。 ”新撰組”の持つ血生臭さである。どれだけ人を、仲間を、斬ったか?それによって、彼等は何を得たのだろうか。<BR> この物語は、土方歳三を、中心に回って行く。近藤勇、沖田総司、もう一つの、明治維新とは?<P> ”新撰組”を新しい観点で、捉えた作品だと思う。女性にも読んで、欲しい、作品である。
新撰組は幕末時代の「負け組」だ。<BR>坂本龍馬や桂小五郎、西郷隆盛といったヒーロー達とは反対に<BR>古いもの、倒れ行くもののためにひたすら剣をふるって負けてしまった男達。<P>時代に乗れなかった「負け組」でありながら、時代を超えて日本人の一種の神話として語り続けられてきたのはなぜだろうか。<BR>それは彼らがカッコいいからである。<P>自らを律し、命を賭け、最後の一瞬まで戦い続けた、その泥臭さがほんと、カッコいいのである。<BR>勝てば官軍っていうどこかの国に教えてあげたい、<BR>銃に向かって剣一本で立ち向かう。<BR>この負けっぷりこそ、日本の美学。
自身にふさわしい舞台を得た人間の人生は、きらきらと輝きだす。<BR> 死に近づいた土方もそうだった様に思った。