名盤ガイドとしては ?? だが読み物として圧倒的に面白い。<BR>アマゾンは福島氏推奨のCDをすべて常備すべきである :-)
個人的には、もう音楽の評論(特に批判)なんてものには辟易してしまったけれど、1つの参考として買ってみても損はない。学生の頃、宇野氏の「若さ溢れる」評論に夢中になった口だが、相変わらず(良くも悪くも)氏は変わっておらず、懐かしさを感じた。好きだという情熱は何にもかえがたいものだ。
3人集まれば文殊の知恵ということで、各論者のいいところだけを拾って読めば、面白い本。<P> 宇野はシンフォニー、中野は弦楽器のなかでもヴァイオリン、福嶋は、戦前生まれアナログ育ちの前2者が見ようとしない古楽器奏者や比較的マイナーな新進演奏家に聴くべきところが多い。<P> チョン・キョンファとリリー・クラウス贔屓には辟易させられる宇野だが、シンフォニー評は確かである。<BR> 八方美人的な中野だが、弦楽器の評には大袈裟ではあるが知らされるところが多い。<BR> 福嶋はあきらかに背伸びしすぎ(あなたの背丈はそんなに高くはないのですよ)。が、勉強熱心さでカヴァーしている(今後も勉強してください)。<P> ということで、同じ偏見の多い、あるいは八方美人的なこの手のクラッシック音楽本の中ではよくできた内容になっている。編集企画の勝利か。