クリティカル・シンキングとか、この手の心理学をやさしく書いた本がけっこう好きでよく読みますが、これはあたりの本です。色々な、行動ファイナンスの法則を例題や実例を用いて分かりやすく説明してくれています。なぜ逆張りが有効か、長期的にはバリュー株投資とグロース株投資ではバリュー株投資が断然成績がいいのは何故かなどが投資家心理や法則を元に解説されています。<BR> 各章に傾向と対策がついていて大変分かりやすいです。おまけに、この著者はなかなかユーモアがあって、つい所々でクスッと笑ってしまいます。<BR> 投資に直接使えるわけではないですが、これを読んで心得ておくことで間違った判断を犯す可能性は少なくなると思います。
行動経済学を取り扱った新書としては、他と比しても出色の出来。心の会計といった我々が常日頃感じている事柄や、3囚人問題といった、常識からはなかなか理解し難い話まで大変わかりやすく説明されている。<P>こうした金銭や確率に対する人間の認知の歪み、非合理性を、自ら本書に掲載された問題に回答していくことで、ときに驚き、楽しみながら理解していくことができる点がまずよい。またものによっては、欧米ではみられ、日本やアジアでは見受けられない事象があるといった記述も興味深い。(例えばモメンタム効果に関して)<P>各章の最後には紹介された事象が、傾向と対策というかたちでまとめられる。<BR>単なる欧米の最新理論の紹介とは一線を画す工夫が随所になされている。<P>本書を通して、投資に限らず、実生活においても有用な、複眼的なものの見方を養っていくことが出来るだろう。