明治という時代は一体どういう時代であったのか?を多角的、多視点的に捉えた、司馬 遼太郎渾身の一大歴史巨編。<P>明治維新後、急激な速度で近代国家となりつつあった日本。しかし、日清戦争後の講和条約で世界の大国ロシアに日本領土を脅かされ、日本は国の未来、日本人の意地をかけてロシアと戦争をする。その勝ち目のない戦争で日本を鮮やかな勝利へと導いた、無名の男達の群像を描いた長編歴史小説。<P>日本陸軍騎兵隊隊長でロシアの世界最強と言われたコサック部隊を破った伊予松山生まれの「古武士」こと秋山 好古。<P>その弟で日本海軍第一艦隊の副参謀で、日本海海戦で勝利を収めた秋山 真之。同じく伊予松山出身の日本歌壇界、文学界、そして、俳句界に大きな足跡を残した夭折の文学人、正岡 子!規の三人を主人公にし、明治天皇に殉死した乃木 希典、日本と大国イギリスの間で日英同盟を締結させた外務大臣、小村 寿太郎他、明治に生きた無名の武士達を取り上げた、壮大かつ秀逸でいつまでも心に大きな礎を残す感動作。<P>単に歴史だけでなく、その時代の世界の人々の生き方、生活、背景なども公平かつ冷静な、愛情溢れる視点で描いた、歴史に残る作品。
私が就職先を探していた頃ですから既に8年以上前のことですが、日本石油(現新日本石油)の人事部長の勧める一冊として紹介されていました。それまで司馬遼太郎には興味があったものの手が出ていなかったのですが、これをいい機会として読んでみたところ、司馬さんの緻密な調査・描写に深い感銘を受けた事を覚えています。<P>自分でもレポートなどを作成する事はありますが、ここまで細かい調査・描写をする事はとても出来ないと感じます。長編のため、後半に行くに連れて若干疲れが感じられますが、それでも相当の努力を払われたものと思われます。<P>戦争自体の中身はともかく、本を書くのにここまで緻密な調査を行うという司馬さんの姿勢が直接的に感じられる本書は、万人にとって良書といえるのではないで!ょうか。
この本を読んで初めて「自分が日本人である」という事を強く意識し、また誇りに思った。この時代の人たちのひたむきさ、懸命さに心がうたれ涙した。(タイトルから想像される明るさがまた彼等のひたむきさを表していて司馬先生は流石だと思う)彼等が必死で救ってくれた現代の日本はどうだろう?<BR>日本人として決して忘れてはいけないものがここには有る。