2002年に「ビッグマネー」として放映されたドラマの原作ということで、ドラマが好きだったので読んでみた。石田衣良独特の軽妙な文章でそれなりにおもしろいのだが、正直ドラマの方が物語としては完成していると思った。ドラマに比べると、一人の取るに足らない若者が一流の相場師として成長する過程がやや性急に過ぎたし、人物造形、サブストーリーにも物足りなさを感じた。映像化作品が原作を超えることはあまりないと思うのだが、この著者の作品に限って、IWGPでもドラマの方が面白いと感じただけに、皮肉にも原作者の力量よりも脚本家(どちらも宮藤官九郎だったと思う)の力量に感心してしまった。
テーマは意欲的ですよね。<BR>ただ、小説のストーリーとしては古典的かな。<P>やはりこういったテーマを扱う際はやさしい経済・株式の説明がいると思います。今回はいわゆる「空うり」の話ですよね、だとしたら信用で売っている株の値段がマーケットで値下がりする際の主人公の心的興奮に同化するにはそれなりの経済的知識があって初めて可能と思われ、読んでいて???で、調べてやっとわかりました。調べて知識が増えるのはありがたいですが、小説では物語の勢いをそぐことになってしまいますよね。<P>
緻密な積み重ねで大きな成果!<BR>その過程のディティールもよく書き込まれています。<BR>主人公は、大学でたけど、無職のパチンコセミプロ。<BR>成長していく青年の姿と、そのやさしさは、おなじみ<BR>いつもの石田衣良作品です。<BR>コンゲーム小説の王道をいく傑作です。<BR>多くの人にお勧めします。