今では「大問題」との認識が広まった感のある道路公団問題。しかし、筆者がこの本を出版した当時は、特殊法人の壮大なムダ使いの構造は、「一般的知識」としては知られていても、具体的に暴き出されることはほとんどなかった。その後、特殊法人改革の流れが加速したことを見ても、この本が大きな転換点を作り出したといっても過言ではない。記念碑的労作だと思う。<BR> ただ、読み物としては読みにくい。立花隆の「田中角栄研究」を意識して書いた、と筆者は言うが、「資料をして語らしめる」というノンフィクションの匂いよりも、筆者の主張が強く出ている感じがして、読む人によっては鼻につくな、と気になる人もいるかもしれない。<P> 道路公団問題が大きくとりあげられ、既に委員会で相当の資料が開!!された今となっては、この本を資料として読む価値は少ないかもしれない。ただ、筆者の行動の原点を知るためには欠かせない一冊だと思う。<P>
初めてこの本を読んだときは、本当に衝撃的だったのですよ。世の中にはこうやって美味しい汁を吸っている悪人どもがいる。その原資は、私が一生懸命働いて納めている税金だったり、実家に帰るときは通らないといけない高速道路料金だったり。許せないよバカ野郎。ニッポンには、今まで見えていなかった暗黒大陸があるよ。こんなこと、猪瀬直樹の前に書いた人はいなかったよね。本当にそう思ったのです。<P> でーも、でもですよ。高速道路にしてもそうなのですが、建設費用が割高になっているのは腹立たしいです。もっと安く作って欲しい。パーキングエリアの食堂はまずくて高い。もっと安くて美味いものを作って欲しい。・・・ちょっとまて、「作って欲しい」ってところは変わらないのですか? 答え。変わらないのです。だれが作って欲しいのですか? そりゃ地元の人に決まってます。<P> そこで気づくのです。本当にいけない人は誰なのか。暗黒大陸の住民は、造って欲しい人の気持ちに便乗しているだけなのです。パーキングエリアだって、どうせどこかの外食産業がやろうが、公益法人がやろうが、独占であることには変わりないのです。複数の企業がいられるほどいい市場じゃないしね。どっちにしたって独占に美味いものなし。<P> そこまで行って、もう一度この本を読むべきです。本当にイケナイ人は誰なのか。そしてその構造の中で、美味しい汁を吸っていると著者が主張する人は、どの程度の地位を占めているのか。そのときに気づくのです。著者が問題視しているのは、実は端パイなんだと。<P> それでも、無駄なくして欲しいし、そこに最初に目をつけた著者の慧眼はすばらしいと思います。でも、そこにばっかりこだわらないでほしいな、っと。
あらゆる手段利用して税金食い物にしていく手口が,書かれてある。おかしいこと思うこと,一つ書く。われわれ,違反したら,税金すぐ取られる。それなのに,鈴木宗雄なんで,給料行くの。おかしいと,思ったこと考えていくうえでもこの本参考になる。