中国からの輸入が本格的になりだした、90年代前半のコメディチックなノンフィクション小説。筆者は短大卒後、スーパー系列の貿易会社に入社する。そこで、有能な上司に細かくチェックされながらも必死で仕事をしている様子が明るく描かれている。今現在では、競争が激しくなり、仕事に対するモラルが向上してきている為か、中国との商売は、品質・納期等の面においても問題は減ってきている。その為、現在から見るとこの頃とはかなり違うが、それでも、読んでいて、「あるある、こういうの」という納得できるエピソード(クレーム)は多い。登場人物もそれぞれ個性が強い。中国との商売の難しさ、大変さを笑い飛ばしているかのような明るさから、軽い気持ちで読める。
おもしろすぎ!!!<BR>何しろ、納期が遅れた言い訳に「工場が竜巻で飛ばされた」と言ってくる人たちを相手に仕事をするのだ。こんなおもしろすぎる言い訳を考えられる中国人もすごいが、それを相手に一歩も引かない著者もすごい。<P>腰掛けOLのつもりだったのに、華僑の上司に良い意味で鍛えられ、主人公はぐいぐいたくましくなっていく。いや~、おもしろく書いているけど、これが自分だったらと思うと、かなり「どひゃ~!」な状況続出。「トホホ・・・」なんてもんじゃない。それを、こんなに客観的に書けるのは、やっぱりたくましい人なんですね。それに、このユーモアのセンスは、さすが大阪人。<BR>それに、華僑の上司も、実は主役じゃないかと思う。部下を信じて、とにかく仕事を任せる。一人でやせる。「女の子だから、ダメだ」なんて言わない。でも、責任はとる。良い上司に巡りあえたんだなぁと思う。<P>中国ビジネスをする人には、絶対オススメ。今も状況は、あんまり変わってないと思いますよ。でも、それ以上に、日本の会社の中で疲れたしまった人にはお勧めです。
ただの「結婚のこしかけ」で入ったつもりの中小企業が、<BR>中国関係の貿易だった!しかも、営業職で!?<P>筆者がOLだったのは、今から10年以上も前の話なので、<BR>今の中国にあてはめてみると、かなりのズレがあるが、<BR>谷崎さんって文才あると思う。面白い、読ませる!<P>中国語を勉強されておられる方、あるいは中国関係の<BR>シゴトをされる方、必見です。