本書に出てくる「虫眼」というもの。これはなんという種類の虫だとか、習性はどうだとか、どこに住んでいてどういうものを食べるんだとか。そういう「虫」というカテゴリ内で更に細かく分類して判断していく眼の事です。<BR>そういう眼が最近の大人(子供も)が減ってしまった。なにせ、それらを見つける「ただの空き地」というものもなくなってしまっている。<P>最近で「遊ぶ」といえばパソコン、ネット、オンラインゲーム、ビデオ、アニメ。そういったバーチャルなものにばかり囲まれ、育って、仕事に憧れ「僕は将来アニメーターになりたい」等といってもムチャです。<BR>なにせ、「虫眼」という知恵がない。「虫眼」がないから、細かい動きを把握できない、知恵に基づいた動きや色の想像ができない。<P>監督自身の持つ「アニ眼」を通して個性化教育、利便性だけを追求し、情報が氾濫した結果、ある程度「虫は虫、鳥は鳥」といったどんぶり勘定的なもので判別していかなければ、情報の整理が追いつかない時代になってしまった。それが逆に「1つの事柄についてよく考える」という大事な能力を退化させている原因だという事を記述した本書は、これら虫眼の大事さを大変わかりやすい書き方で記しています。<P>宮崎アニメファンならずとも、何かのプロを目指している人にぜひおすすめしたいと思います。
私の感想としてはまず面白い!!というか興味深いというものです。<BR>これは小説ではないし、ひとによっては対談と言うものを観て面白いと感じない事もあるかと思います。<BR>現に私が今までそうでした。<BR>ジブリファンではなかったらこの本も読まなかったかもしれません。<P>ただ、ファンとして、宮崎駿氏の中にあるあらゆる創造のイメージを知りたいと思って拝読しました。<P>彼の心の中にあるイメージを他人の私が理解することは100%には無理ですが、彼がアニメを作る時、何を大切にしてるのか、変わらぬ信念やポリシーの一つ一つが素晴らしく名作の数々が生まれてきた所以を垣間みた気がします。<BR>とっても面白かった!!