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| リヒテルは語る―人とピアノ、芸術と夢
(
ユーリー・ボリソフ
リヒテル
宮澤 淳一
)
文句なしに面白い!<BR>リヒテルってこんなにロマンチストで博識で面白いお爺さま(失礼)だったの?と<BR>読んだ方は驚くことと思います。私は驚きました。<BR>この本は“語りおろし”という形をとっているせいか、リヒテルの躁鬱と<BR>関係しているかもしれません。<BR>リヒテル自身の深い話や真実、ここぞツボ!というような大切な言葉や毒舌までが、<P>他の何気ない言葉と一緒になって流れていくのが早い、早すぎる!<BR>「なるほど!」と納得した刹那、次にはもう笑っていたりします。<BR>まるでブーメラン爺さんです。一つの話がキューンと横道へ逸れていき、<BR>最後にはまた手元に返ってきたり。<BR>登場する有名人たちへの一言も、歯に衣着せぬ言葉が満載。例えば<P>「恨みを抱いていた。カラヤンにだ」「ギレ!スにも恨みがある」等々。<BR>朝食の席で固ゆで卵を自分の額で割って食べる…そんなリヒテルを生前に<BR>知っていたら、あの構成力に満ちたすごい集中のピアノを笑いなしに聞くことができたか自信がなくなりました。
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