本国アメリカでは非常に有名なイラストレーターの、日本版の単行本第1作。A~Zの頭文字を持つ子供達の、様々な「死」の場面が描かれ続ける。暗い?陰惨?でも、どことなく人を惹きつけて離さない不思議な魅力を持つ「大人の絵本」。
道徳でも説教でもない、芸術の世界 そんな絵本が日本国内にありますでしょうか ここまでインパクトとオリジナリティーをもつ作家が 日本において歓迎されないとなれば それは日本の児童文学の文化の薄さ 子どもは教わるのではなく、考えて学ぶもの
これは一見、子供のためのABC読本か?と思う。左Pにはそれぞれのイニシャルの名前の子供についての短い文、右Pにはその挿絵。<BR>しかしその内容は子供達の最期に関するものに限定されているため、子供のいたずらに対して残酷な仕打ちを描くことで子供の倫理観を養おうという種類の本だろうか?と思う。<P>だがそれも違う。<BR>子供達は文字通り「非業の死」をとげているのだ。子供達は死ぬためだけにこの絵本に登場している。<BR>その死ぬ理由がわからないところが、マザーグースに見られるような童謡の残酷さをかもしだしており、あなたは何度もページを繰ることになるだろう。