せちがらいこの現代において別な生き方もあるのだなと思わせてくれる桂品。今の生活をすべて捨ててプロヴァンス地方にすみたくなる本。この本がヒントでプロヴァンス風住宅を作ってしまった。それぐらい、素敵なライフスタイルへいざなってくれる。
この本が出版され、各国でベストセラーになってからもう長い年月が経過した。それでもまだ売れつづけているそうである。いったいこの本の何が読者にうけるのだろうか。おそらく、つまるところ、読者はこの本に癒しを求めているのではないか。<P>著者のピーター・メイルは、イギリスの広告業界を捨てて南仏のプロヴァンスに移り住んできた。そこでの田舎の生活、隣人とのふれあい、プロヴァンスの風土、人情、動植物、料理、ワイン…。これらの由無しごとを淡々と書き綴っている。そんなエッセイである。<P>プロヴァンスでは時間の観念が幅広く、弾力的である。プロヴァンスでは時間がゆっくりと流れている。人には誰でも、心の中にそんなプロヴァンスを持っている。だからこの本が長年読み続けられているのでち!¯ないか。<BR>あなたも癒しを求めるなら、この本をひもといてごらんなさい。<P>なお、巻末に料理関係の索引がついている。エッセイの本としてはユニークであるが、プロヴァンスでは、料理はキーワードなのである。
秋に夫婦で南仏旅行を計画中なので、思い入れを深めよう、とこの本を読んでみました。なんてゆったりした生活なんでしょう。時間にも曜日にも追われない季節感だけで流れていくプロヴァンスの田舎の生活は、ちょっと遊びに行っただけの旅行者にはわからないかもしれないけれど、片鱗だけでも味わえたらいいな、と思いました。