この本は、被害者の心理状態を客観的に書いてくれてあり、思い当たっても、被害妄想じゃないと、思わせてくれます。<P>読みすすめると、自分が加害者じゃなかったか、詳細に、検討できます。
静かな水面に投げ込まれた石の如く、支配欲が強い一人の人間が全ての<BR>人間関係の破綻を導くことがあります。<BR> ILOニュースや報告書ではMobbing(モッビング)と呼ばれている<BR>労働問題はまさしく職場内モラル・ハラスメントでした。<BR> 私の事件も小さな波紋が大きく広がるかのように解雇事件に至った<BR>モラル・ハラスメント事件でした。<P> このような類の事件は日本では<BR>「被害者に問題がある」<BR>と捉えられることが多く、裁判をやっても結局金銭解決で終わってしまいます。<BR> この本では加害者側に共通点があること、発生のメカニズムが<BR>解かれたことで、被害者に責任がないことを実証しています。<BR> 加害者側の性格的共通点やメカニズムが解明すれば、使用者側に<P>より有効な防止措置を求めたり、今モラル・ハラスメントに遭って<BR>いる人は、困難なことかもしれないけど解決することができるように<BR>なるでしょう。<BR> もっともっと日本でもモラル・ハラスメントについて認識すべき<BR>だと思います。
モラルハラスメントというタイトルを見たときは、内容についてあまり予想できなかった。しかし、読みすすめていくと自分がこれまでにまきこまれたとしか思えないような嫌な状況に身を置いてきたことについての理解が一気に深まりました。なんども被害者の立場に置かれてきたので、最近自分が感じていることが明瞭に言語化されたという気がします。著者は精神分析でいうところの「自己愛性格」をも引用していますが、著者は日常生活に視点を据えつつ、如何にしてそのような人との間に生まれる、生きることを否定されてしまうような状況に対する具体的な知恵を述べています。<P>自分の仕事では心理療法などを普段やっていますが、そんなああ職業的な観点からも、抽象的になりがちな専門知識を具体的に活用できるためのいい手引きというように位置付けられると思います。<BR>モラルハラスメントには気づきにくいだけに、この著書は貴重だと感じました。