<BR>「自分の母親しか知らない人間は、自分の母親も知らない」ってなこと言ったのは、ルソーでしたっけ?物事理解するには、比較が必要。現在形と現在進行形、過去形と現在完了形、過去形と過去完了形、mustとhave to...私自身も多くの教科書・参考書・問題集の縦割りの文法説明には不満で、常に比較しながら英語を教えてきました。ミントン先生の説明が、あまりにも自分のアプローチに似ていたので、先ずびっくり。自分がぶち当たっている壁を乗り越えられるかもしれないと思い、必死で読みました。残念ながら、まだすっきりとはしません。もともと言葉の問題なんて、すっきりしたらいけないのかもしれませんね。この本は、このまま教えるためのものではなく、言語意識を高めてくれる存在として貴重です。<P> それにしても、問題集によくあるA=Bの書き換え問題(単語でも文章でも)不自然なものが多いですね。職場で「鈴木さん」と呼ばれ、家で「洋子ちゃん」と呼ばれている鈴木洋子さんがいれば、確かに「鈴木さん」=「洋子ちゃん」なんですけど、まさか母親が娘を「鈴木さん」とは呼ばないし、職場の上司が「洋子ちゃん」と呼ぶのは(あり得なくはないが)おかしいでしょう。使いわけについても、この本はきちんと意見を言ってくれています。<BR>
最近増えてきたタイプの、「古いタイプの日本の英語教師にとって、教えるのが難しいと思われる”感覚的な間違い”を指摘する本」。<BR>要点がしぼられており、構成もすっきりしています。<P>著者はイギリス人。イギリス的な表現については「これはイギリス的でありアメリカ人は使わない」と、私的な意見は「個人的にはこの表現は好まない」等、きちんと表記してあるのは好感がもてます。<BR>(一般的に言って英語国民は、日本人より事実と意見を混同する事を嫌う様です)<P>よくピーターセン氏の本と比較されますが、こちらの方が若干雰囲気が教科書的です。<BR>面白いことに、ネイティブの最近の英語について、(アメリカ人の)ピーターセン氏と全く同じ不満を抱えているようです。(※現在完了形についての不満)
読めば読むほど、中学校から習ってきた英語を含め私が習ってきたのは「記号」としての英語であり、生活の中に生きた、コミュニケーションを取るための手段としての英語をほとんど教わらなかったような気がします。単純にPleaseを付ければ多少は丁寧になると思いこんでいたり、Will you・・・がこんなに失礼な表現になるなんて知らなかった。言語はすべからく、相手とコミュニケーションを取るため(単に事象を説明する道具ではなく)非常に大切な手段であることを改めて認識しました。