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| 藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義
(
藤巻 健史
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この本は、同名の上下二冊の既刊単行本を合本し加筆修正したもののようだ。私は単行本は読んでいないが、本書は、為替・金利に関心ある人の必読書と言えよう。これまで、いろいろな人が書いた為替・金融の本を読んできたが、実務家である筆者が書いた本書は、実務に立脚しているだけでなく、これを理論的に解説している点で、一番評価できる。<P> 私は、本書を読んで初めて納得できたことが結構ある。例えば、社内レートも為替を動かす要因の一つになっていること、日米金利差が開くとドルが買われる理由、ヘッジファンドは円キャリートレードなどしていないこと、債券先物市場が長期金利を決めていると考えられること等々。この4つについて自分で理由を付けて回答できる人は読まなくても良いかもしれない。そうでない人には、430頁を読む時間とこの価格とを費やす価値が十分過ぎるほどある。
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