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| ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ
(
手塚 治虫
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大変感銘を受けました。書かれていることの多くは、手塚氏の漫画から感じ取ることはできますが、彼が残された時間の少ないことを察知してか、生の言葉で吐露された想いに強く打たれました。戦争、差別、環境、文化の違い等々に言及されており、おこがましいのですが私自身の問題意識を持っていることとほとんど重なっています。特に驚いたのは、まだ80年代の末でありながら、現在のIT革命の影の部分をしっかり予測し、指摘していること。まだ「メディア・リテラシー」などという言葉が日本で使われていなかった当時に、まさにその問題を看破しています。「先見の明ある」得難い一冊だと思います。
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